IBDとは、炎症性腸疾患(Inflammatory Bowel Disease)のことで、
一般的には潰瘍性大腸炎(Ulcerative Colitis)とクローン病(Crohn's
Disease)のことをさしています。
潰瘍性大腸炎は、大腸に慢性的に炎症が生じ、潰瘍ができる原因不明の病気です。
病気がおこる場所(病変部位)は直腸を中心として始まり、大腸全体にまで広がることがあります。症状としては血便、粘液便、下痢や腹痛などがあげられます。
この病気は症状が良くなったり(緩解)、悪くなったり(再燃)を繰り返す慢性の病気で、厚生労働省より特定疾患に指定されています。
クローン病は原因不明で、主に10〜20歳代の若年で発症し、消化管に縦長あるいは不整型の潰瘍、粘膜が腫れたり、内腔面が狭くなったりする炎症性病変です。
この病変は口腔から肛門までの消化管のあらゆる部位に見られますが、小腸や大腸が好発部位です。主な症状として腹痛、下痢、発熱、肛門病変などがありますが、その他、消化管以外の合併症を伴うこともあります。
この病気は潰瘍性大腸炎と同様に厚生労働省により特定疾患に指定されています。